2004 Fiscal Year Annual Research Report
強レーザー場中の多価イオン衝突における反応過程の理論的研究
Project/Area Number |
16032203
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
島倉 紀之 新潟大学, 理学部, 教授 (40111314)
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Keywords | 強レーザー場反応 / 多価イオン / 電子捕獲 / ドレスト状態 / フロッケ理論 |
Research Abstract |
1.強レーザー場中の反応過程に対するDQMSCC法の適用において、一定数以上のDQMSになると収束性が悪くなるという問題が発生する。精度の良い値をより短時間で得る方法(弱く結合しているDQMSグループ間に対して摂動論を適用するGVV-DQMSCC法)を開発し、(Li^<3+>+H)衝突系に適用した。遷移確率の衝突エネルギー依存性,電荷移行断面積の電場強度・振動数依存性などを調べたところ、電場強度,振動数を変えることにより,遷移する行き先を選択できることがわかった。 2.安定なH_2^+のΣ_g状態の平衡核間距離に波束の中心を置き,多チャンネル波束法を用いて強レーザー場のもと,波束の時間変化を調べた。波束はポテンシャルバリアーを乗り越え解離するものと、ある一定時間分子イオンとして留まった後,ポテンシャルバリアーをトンネルするものに分かれた。 3.レーザー場中でH^+,Hを衝突させH_2^+を生成するメカニズムを多チャンネル波束法を用いて調べた。衝突エネルギー,波束の半値幅,電場強度,振動数,衝突係数の値を変え分子生成確率を求めたところ,(1)エネルギー幅が狭いほど生成確率は大きくなる,(2)主に振動量子数4の状態が生成されることなどがわかった。 4.C^<4+>イオンによる励起水素原子からの電荷移行過程の解明を行った。(1)断面積は標的が基底状態の場合に比べ30倍ほど大きく,衝突エネルギーにほとんど依存しない,(2)電子はC^<3+>イオンのn=6の状態に捕獲され,この状態からの発光は核融合プラズマの温度測定に使えることがわかった。 5.外場中のヘリウム原子,イオンに起こる非弾性散乱過程の確率を求め,偏極ルビジューム原子と間のスピン-交換にもとづく偏極ヘリウムイオン源開発についての新提案を行った。
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Research Products
(3 results)