2004 Fiscal Year Annual Research Report
レーザープラズマ軟X線吸収による強光子場中の物質の過渡的状態時間空間分解計測
Project/Area Number |
16032219
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
小栗 克弥 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究員 (10374068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 泰彬 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, リサーチアソシエート (00393819)
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Keywords | 強光子場科学 / レーザープラズマX線 / 超高速時間分解分光 |
Research Abstract |
本研究では、高強度フェムト秒レーザー光を金属等のターゲットに照射した際に誘起される高密度プラズマから発生するレーザープラズマX線と呼ばれる軟X線領域の超短パルスX線光源を利用することにより、ピコ秒からフェムト秒領域の時間空間分解軟X線吸収分光法を確立することを目的とする。本年度は、以下に示す二項目に重点的に取り組んだ。 (i)空間分解発光分光法によるレーザープラズマ軟X線の発光領域の波長依存性計測 (ii)時間空間分解線吸収分光計測システムの構築並びにその空間分解能の確認 (i)では、プローブ光として用いるレーザプラズマX線の光源特性を調べるため、時間差を制御したプレパルスとメインパルスからなるパルス対を用いて発生させた軟X線発光スペクトルを軟X線ピンホールカメラにより空間分解計測し、X線発光スペクトルや光源サイズに対するプレパルスの影響を調べた。ピンホールカメラと透過型回折格子を組み合わせて、ターゲット表面に対して垂直な方向に空間分解した軟X線発光スペクトルを計測した。ターゲットはTaとAlを用意し、原子番号の大きく異なる二種類の金属ターゲットによる違いを比較した。(ii)では、レーザープラズマX線の超短パルス性と高空間分解能性を組合せ、時間空間分解X線吸収分光システムの構築を行った。試料2枚の球面鏡から成るKirkpatrick-Baez型斜入射反射型光学系により結像される。X線を分光する場合にはスリットと組み合わせた透過型回折格子をX線光軸上に挿入することによって、スリットの開いた方向に関しては空間情報を保持したまま、それとは垂直な方向には波長情報が得られることになる。空間分解能を評価するために線幅6μm、格子間隔25μmのメッシュ像を計測した。メッシュの格子間隔が完全に分離して観察されていることから、本システムは少なくとも25μm以下の空間分解能を持つことが確認できた。
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