2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16033208
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 好幸 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70333797)
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Keywords | 高分子 / 金属錯体 / インドール / パラジウム触媒 / 有機ホウ素 / 生理活性 / 構造解析 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
有機金属あるいは金属錯体を高分子上に固定化した場合には、溶液中とは異なる環境が与えられ、その金属錯体の反応性を制御する方法論として展開が期待される。特に固定化による擬似的な高度希釈効果は、合成化学的にも有用であり、選択的な精密有機合成を達成する上でも利用価値が高いものと考えられる。精密有機合成における高分子固定化有機金属の有用性を制御化学の観点から明らかにするために、高分子担体上における種々の有機金属化合物の調製を行い、さらに新たな機能性高分子金属錯体の開発と新たな合成反応への展開を行うことを本研究の目的とした。 医薬品化学においてインドール誘導体は重要な母核あるいは部分構造として認識されており、その多様な修飾を可能とする方法論の開発が精力的に行われている。すでに著者も固相担体上におけるインドール環の構築および修飾反応について報告しているが、種々の選択的な変換が可能なインドリルホウ素化合物の高分子への固定化について検討した。固定化したインドリルホウ素化合物は容易に調製することが可能であり、また高分子の効果を用いて選択的なモノ官能基化を行うことにより、種々のビスインドールアルカロイド誘導体の合成に有用であることが明らかとなった。高分子上における変換反応は、溶液反応と同じように円滑に進行する場合もあれば、反応によっては最適化が難しいものもあり、その適用範囲の検証は今後とも重要と考えられる。また高分子上におけるパラジウム錯体を用いる変換反応に関して著者は最近簡便なカルボニル化反応を開発しており、この反応をこの固定化インドリルホウ素化合物を用いる方法論と組み合わせることによりさらに多彩なビスインドリルアルカロイド類の合成が可能となるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)