2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機カチオンを活性種とする機能性分子触媒の設計開発
Project/Area Number |
16033210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 眞浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50217428)
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Keywords | 触媒 / 有機触媒 / グアニジン / 水素結合 / 3中心4電子結合 / Baylis-Hillman反応 / 有機カチオン |
Research Abstract |
環境負荷の軽減は今や重大な社会的要請になっている。機能性を高めた新規触媒の開発による有機合成反応の高効率化はこれに応え得るものとして多くのアプローチがなされている。触媒開発は従来、金属錯体の設計に焦点が絞られ、現在も活発に研究が進められている。本研究はこうした金属触媒に代わる次世代の機能性触媒として、有機カチオン種を触媒活性種とする分子触媒の開発行なうことを目的とする。この際、有機カチオン触媒の開発において戦略的な相互作用としてほとんど用いられたことが無い3中心4電子(3c-4e)結合を介した反応基質の活性化に申請者は着目した。触媒活性種である有機カチオンを反応基質と3c-4e結合を介して相互作用させ活性化するという、従来の金属錯体による配位活性化とは全く異なる発想での触媒サイクルの構築が鍵となる。水素結合は3c-4e結合の代表例であるが、有機カチオン種に付与した機能をこれら3c-4e結合を通じて反応基質に伝え、<有機カチオン種-反応基質>の動的錯体の制御による分子触媒の機能化を検討した。その結果、グアニジン/アゾール2成分触媒系により生成するグアニジニウムカチオンとアゾールアニオンがアルデヒドとα,β-不飽和カルボニル化合物とのBaylis-Hillman反応の優れた触媒となることを明らかにした。この際、2成分触媒系で生じるグアニジニウムカチオンはα,β-不飽和カルボニル化合物の活性化に寄与し、アゾールアニオンの1,4-付加の触媒として作用するとともに、引き続くアルデヒドとのアルドール型反応の活性化にも寄与していると考えている。今後はグアニジニウムカチオンとカルボニル化合物との相互作用の解析ならびに不斉触媒への展開を検討したい。
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Research Products
(5 results)