2004 Fiscal Year Annual Research Report
表面を媒体とするモレキュラーインプリンティング不斉金属錯体触媒の創成と制御
Project/Area Number |
16033217
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 康裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40018015)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242099)
|
Keywords | モレキュラーインプリンティング / 固定化金属錯体 / テンプレート / 表面活性構造 / XAFS / 不斉触媒反応 / 形状選択性 / 分子認識 |
Research Abstract |
人工酵素型の高い立体形状選択性、分子認識能を有した新規触媒表面の構築のために、酸化物表面上に固定化した新規金属錯体触媒およびその表面におけるモレキュラーインプリンティングを組み合わせた表面インプリンティング触媒の新規設計を行った。表面を利用した新規活性構造の創出に加えて、高い立体選択能を持つ活性構造の設計、制御に成功した。更に、表面での触媒活性構造、反応過程を明らかにするために、新たなキャラクタリゼーション手法の開発、実際の触媒反応への展開も行った。 Rh-アミン錯体を配位させた新規シリカ固定化Rh単核錯体を調製し、テトラメトキシシランを用いて表面モレキュラーインプリンティングを行い、表面マトリックスを作成した後、テンプレートとしたアミン配位子を脱離させることにより、配位不飽和な活性Rh種とその近傍のテンプレート形状の反応空間キャビティーを設計した。実際、前駆体錯体及び表面固定化錯体はアルケン水素化反応に活性を示さなかったが、表面インプリント触媒のみが高い活性と高い選択性を示した。形状の異なるアミン配位子を反応阻害剤として導入したところ、表面の反応サイトの阻害効果に顕著な差が見られ、アミン配位子の立体形状に応じた高い立体選択能を有していることが明らかになった。これらの表面活性構造形成過程のメカニズムについても詳細な構造解析及び理論計算を行った。 いまだ有効な設計法が確立されていない表面での不斉触媒反応を実現するために、不斉バナジウム錯体を利用した新規不斉固定化錯体触媒を設計し、シリカ表面において2つのバナジウム単核錯体が自発的に不斉会合して、新規の不斉ダイマー構造を形成することを見出した。2-ナフトール不斉カップリング反応に90%の高い不斉選択性(現在世界最高)を示すことを明らかにした。表面における触媒反応メカニズムの詳細も検討した。
|
Research Products
(7 results)