2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機遷移金属錯体におけるトランスメタル化反応の自在制御
Project/Area Number |
16033220
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 康師 岡山大学, 理学部, 助教授 (20282858)
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Keywords | トランスメタル化 / 白金 / 有機ボロン酸 / ヒドロキソ錯体 / 二核錯体 |
Research Abstract |
有機ボロン酸のパラジウム、ロジウム、白金等の後期遷移金属とのトランスメタル化反応は、これらの金属錯体を触媒とする有機合成反応の鍵段階として重要であるが、その詳細はわかっていなかった。本研究によって、白金錯体とのトランスメタル化反応の機構を、いかに示す通り解明することが出来た。 有機ボロン酸は酸化銀の存在下で二価白金錯体と反応させると、ボロン酸の共役塩基であるボロナト基が配位した新しい白金錯体を生成する。2つのボロナト配位子を有するシス型の白金錯体は配位子の水酸基が脱水環化した環状構造錯体に変化する。前者の錯体は酸化銀の存在下でさらに芳香族ボロン酸と反応して、トランスメタル化によるアリール白金錯体を生成した。後者の環状錯体は添加物なしでも芳香族ボロン酸と反応してアリール白金錯体を生成し、さらに、条件によってはヒドロキソ白金錯体を生成していることを明らかに出来た。これらの結果に基づいて有機ボロン酸と白金錯体とのトランスメタル化反応の機構をまとめた。すなわち、有機ボロン酸、塩基、白金錯体の反応によって生じるヒドロキソ白金錯体、アリールボロナト白金錯体のいずれも、芳香族ボロン酸のトランスメタル化反応によってアリール白金錯体を生成する。また、この2つの錯体は通常の条件で平衡にあるため、反応に用いる塩基の種類や濃度、ボロン酸の濃度に応じて複数の経路のうち速度論的に有利な経路によってトランスメタル化が進行する。 ヒドロキソ錯体のトランスメタル化反応での役割について確認するために、ヒドロキソ架橋二核白金錯体と有機ボロン酸との反応を行なった。塩基等の添加なしで、アリール白金錯体が生成したことから、ヒドロキソ錯体を中間体とするトランスメタル化反応経路の存在も明らかになった。
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Research Products
(2 results)