2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体による酸素-酸素結合の開裂と生成の動的制御
Project/Area Number |
16033222
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 正樹 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20091390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古舘 英樹 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40332663)
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Keywords | 合成化学 / 酸化反応 / 金属酵素モデル / 酸素活性種 / 結晶構造 / 酸素錯体 / 生物無機化学 / ラジカル反応 |
Research Abstract |
本研究では,金属イオンの基本的性質である酸化還元能を、配位環境の電子的・立体的効果により分子レベルで制御して,様々な酸素活性種を含む金属錯体の合成を試みた。さらに様々な反応活性中間体(酸素活性種)の構造・電子状態を明らかにし,下記の一連の動的酸化反応過程の解明を行った。 様々な酸素活性種を含む二核ニッケル錯体の動的変換過程:三脚型四座配位子であるMe_2-tpa(tris(6-methyl-2-pyridylmethyl)amine)を含むbis(μ-hydroxo)Ni(II)_2錯体([Ni_2(OH)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(1))をアセトニトリル中,-20℃で過酸化水素と反応すると,配位子に組込んだメチル基がアルコールとカルボン酸にまで酸化される。この過程で生成する以下の4種の酸素活性種を含む反応中間体bis(μ-oxo)Ni(III)_2錯体([Ni_2(O)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(2)),bis(μ-superoxo)Ni(II)_2錯体([Ni_2(O_2)_2(Me_2-tpa)_2]^<2+>(3)),(μ-hydroxo)(μ-alkylperoxo)Ni(II)_2錯体([Ni_2(OH)(Me-tpaCH_2OO)]^<2+>(4))およびbis(μ-alkylperoxo)Ni(II)_2錯体([Ni_2(Me-tpaCH_2OO)_2]^<2+>(5))を単離し、X線結晶構造解析を含む様々な物理化学的手法を用いて同定に成功した。また,これらの中間体を経る配位子の酸化反応機構の解明に成功した。
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Research Products
(5 results)