2005 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟な多次元骨格に支えられた動的金属酵素モデルの創製
Project/Area Number |
16033225
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 満 静岡大学, 理学部, 助教授 (80254142)
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Keywords | 金属酵素モデル / ビスイミダゾール型架橋配位子 / 結晶構造 / 多次元ネットワーク / 亜硝酸還元酵素モデル / 小分子活性化 / チャンネル構造 / 銅錯体 |
Research Abstract |
金属酵素の活性中心に存在する金属錯体と同様のイミダゾール、あるいはカルボン酸が配位した金属イオンが多孔性ネットワークに組み込まれた新しい金属酵素モデルの合成を行った。これまでに用いてきたイミダゾール安息香酸に加えて、ビス(イミダゾール)型の架橋配位子で金属イオンを連結することにより、目的とする多孔性化合物を得た。具体的にはビス(イミダゾールーイルーメチル)ベンゼンを用いて銅イオンを架橋し、さらには、銅中心に亜硝酸を配位させた銅錯体を合成した。配位子のイミダゾールの位置をo-、m-、p-位と系統的に変化させ、さらに銅中心に亜硝酸を配位させることにより、亜硝酸還元酵素のモデルとして有用な亜硝酸がイミダゾールで囲まれた銅イオンに配位した金属錯体を合成した。従来の金属酵素モデルと異なり、高次元ネットワークに金属錯体ユニットが支えられている、この酵素モデルの新規性は単結晶構造解析により確認することができた。また、単結晶構造解析の結果から、銅に配位した亜硝酸イオンは、実際の金属酵素と同様に末端の酸素原子が銅中心に強く結合することが確認された。また、亜硝酸イオンの窒素-酸素距離も、亜硝酸ナトリウムのような単純な陰イオンに比べて長くなっていることが確認され、銅イオンにより活性化が確認された。また、同位体でラベルした亜硝酸を使用することにより、この配位した亜硝酸イオンに基づく振動スペクトルを明らかにし、単結晶構造から予想される通り、窒素-酸素の結合が弱くなっていることが確認された。つまり、新しい多次元型の金属酵素モデルを合成し、その金属酵素の活性中心が示す活性化を再現することに成功した。
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