2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体ユニットの合理的組み替えとキラリティーの自在制御
Project/Area Number |
16033235
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 巧 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50201497)
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Keywords | 硫黄架橋金属錯体 / キラリティー / 金属超分子 / チオレート型配位子 / コバルト(III) / ロジウム(III) / 金(I) / ニッケル(II) |
Research Abstract |
本研究では、アミノチオレート型配位子をもつチオラト単核錯体ど金属イオンとの反応を制御することにより、更なる金属イオンや金属錯体と結合可能なサイトを有するキラルな多核金属錯体の合成を目指した。また、このようにして得られる多核錯体を新規のビルディングブロックとして用いることにより、高次のキラル錯分子集合体の合理的構築についても検討した。 その結果、(N)_2(S)_2-四座のアミノチオレート配位子(L)を配位した平面型のニッケル(II)単核錯体[Ni(L)]の銀(I)イオンによる集合化、および3分子の2-アミノエタンチオレート(aet)を配位したコバルト(III)単核錯体fac(S)-[Co(aet)_3]やロジウム(III)単核錯体fac(S)[Rh(aet)_3]の平面型および直線形金属イオンによる段階的集合化に成功した。これにより、前駆体の幾何異性の違いにより、錯分子集合体のキラル構造を制御できることが示された。また、D-ベニシラミン(D-H_2pen)を硫黄単座で2分子配位した金(I)酸錯体[Au(D-pen-S)_2]^<3->に銀(I)イオンと銅(II)イオンを段階的に反応させることにより、Au^IAg^ICu^<II>三種混合型の金属超分子の構築にも成功した。この化合物においては、構造の中心にCl^-原子を包摂した20核のAu^I_6Ag^I_8Cu^<II>_6カチオンケージと21核のAu^I_6Ag^I_9Cu^<II>_6アニオンケージが、配位結合および水素結合により交互に連結しあい、前例のない巨大な岩塩型格子構造を形成していることが判明した。これにより、[Au(D-per-S)_2]^<3->がキラルな多座の錯体配位子として機能することが示された。
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Research Products
(6 results)