2004 Fiscal Year Annual Research Report
後周期遷移金属錯体を触媒とするアセチレン化合物の高効率変換反応
Project/Area Number |
16033243
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
垣内 喜代三 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (60152592)
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Keywords | 遷移金属 / 触媒反応 / アセチレン / パラジウム / タンデム反応 / 複素環化合物 / カルボニル化反応 / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
本研究では、アセチレン化合物と後周期遷移金属との相互作用に注目し、アセチレン錯体の動的挙動を解明し、それを利用した高効率触媒反応の開発を目的とする。 1.パラジウム錯体を触媒とするタンデム型複素環化合物合成反応 パラジウム錯体を触媒として、プロパルギルハライド類とジチオールとの反応により、ベンゾジチアン骨格が形成されることを見い出した。この変換反応は、硫黄求核剤によるプロパルギル位での置換、および、硫黄-水素結合のアセチレン部位への付加の二過程が、一つの反応系の中でパラジウム錯体により触媒されて、タンデムに進行していることが明らかとなった。 2.ロジウム触媒/ホルムアルデヒド系によるアセチレン化合物のカルボニル化反応 ロジウム触媒を用いた、同一分子内にアセチレンおよびオレフィン部位を有するエンイン化合物とホルムアルデヒドとの水中反応において、キラルなホスフィンを配位子として添加すると、高いエナンチオ選択性を持って反応が進行し、高光学純度のシクロペンテノン誘導体が得られることを見い出した。 また、オレフィン部位を持たないアセチレン類を、ロジウム触媒存在下でホルムアルデヒドと反応させると、ブテノリド誘導体が高収率で得られることも新たに見い出した。ブテノリドの5員環骨格の形成には、アセチレン1分子とホルムアルデヒド2分子が関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)