2005 Fiscal Year Annual Research Report
2組のトリスポルフィリン反応場を有するヘキサポルフィリン-ルテニウム多核錯体
Project/Area Number |
16033244
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小夫家 芳明 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80026195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 彰治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (00277831)
小川 和也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (50335486)
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Keywords | ポルフィリン / 自己組織化 / 超分子 / 配位結合 / 異性化 |
Research Abstract |
複合型超分子組織体を構築するための足がかりとして、異なる二種類のイミダゾリル金属ポルフィリンをヘテロ接合し、巨大超分子アレイのアンテナ機能の評価を行った。メソ-メソ連結ビスイミダゾリル亜鉛ポルフィリンは自己組織化によって700量体にも及ぶポリマーを形成する。このポリマー末端では未配位の亜鉛イミダゾリルポルフィリンが存在していると考えられる。そこでこの末端部位に特異的に配位するアクセプターイミダゾリル金属ポルフィリンを探索した。その中でイミダゾリルマンガン(III)ポルフィリンは自己二量化会合定数が小さく、ヘテロダイマーを効率よく形成することがわかった。0.9x10^<-6>Mのメソ-メソ連結ビスイミダゾリル亜鉛ポルフィリンにイミダゾリルマンガン(III)ポルフィリンを徐々に加え、蛍光スペクトル変化を追跡したところ5%のマンガンポルフィリンを加えたときに50%の蛍光消光が起こった。イミダゾールをもたないマンガンポルフィリンではこの条件でほとんど蛍光消光が起こらないことから、イミダゾリルマンガンポルフィリンではヘテロダイマーが形成されたことによる静的な消光が起こっていることが明らかとなった。それぞれの会合定数から、そのヘテロ接合体の平均分子長を計算したところ、6.8x10^<-8>Mのイミダゾリルマンガン(III)ポルフィリンを加えた時点で平均分子長100量体の集合体が形成されており、そこから約70%の確率でアンテナ分子の励起エネルギーがマンガンポルフィリンに移っていることになる。このことから、メソ-メソ連結ビスイミダゾリル亜鉛ポルフィリン連鎖体は優れた光捕集アンテナであることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)