2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16036205
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
相川 祐理 神戸大学, 理学部, 助手 (40324909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 英子 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (20397821)
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Keywords | 星形成 / 分子雲コア / 星間分子 / 重水素 |
Research Abstract |
星形成コアにおける分子組成分布の時間進化を数値計算によって調べた。コアの観測では炭素系分子がコア中心部で減損しているのに対し、窒素系分子は減損していない。従来この炭素系分子と窒素系分子の分布の違いは、一酸化炭素と窒素分子のダストへの吸着エネルギーに起因していると考えられてきたが、最近の実験室での測定により両者の吸着エネルギーに大きな差がないことが指摘された。本研究では、分布の違いが一酸化炭素と窒素分子の吸着エネルギーではなく分子生成タイムスケール(窒素分子の方が生成時間が長い)によって説明できることを示した。この結果は国際研究集会で発表し、現在論文を準備中である。 国際会議「Protostars and Planets V」において星形成コアに関するレビューチームに加わり、コアの化学組成進化の節を執筆した。 原始惑星系円盤表面におけるガス温度・密度構造およびそこでの水素分子励起状態と輝線強度を理論モデルによって調べた。その結果、円盤表面ではガスがダストよりも高温になっていること、中心星が紫外線超過を持つ場合に水素分子の紫外および近赤外放射が観測値とよく合うことを示した。この結果は論文としてまとめ学術雑誌に掲載された。 さらにダストが星間ダストよりも大きくなった円盤において円盤の構造、分子組成、重水素濃縮度を調べた。円盤表面は中心星や星間空間からの紫外線によって光解離領域になっているため、多くの分子種はその存在度が円盤表面からの柱密度に依存して変化することがわかった。ダスト成長に伴いガス分子の存在する層は中心面に近づくが、多くの分子は柱密度がダストサイズに強くは依存しなかった。ただしHCO+,H_3^+,H_2D^+はダスト成長に伴って柱密度が減少した。重水素化分子は中心面および中心面付近で高い存在度を示した。以上の結果は論文としてまとめ学術雑誌に掲載された。
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[Journal Article] An Observational Perspective of Low-Mass Cores I : Internal Physical and Chemical Properties2006
Author(s)
Di Francesco, J., Evans, N.J.II., Caselli, P., Myers, P.C., Shirley, Y., Aikawa, Y., Tafalla, M.
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Journal Title
Protostars and Planets V (in press)
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