2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16036206
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
富阪 幸治 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70183879)
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Keywords | 超新星残骸 / 星間物質 / 星間磁場 / 輻射輸送 / 観測的可視化 |
Research Abstract |
磁場を持った星間物質中での超新星残骸の進化について2次元軸対称磁気流体力学シミュレーションを用いて研究した。その結果、 1.星間磁場強度5μG、ガス密度0.2cm^<-3>の場合、磁場がない場合と同様に、超新星爆発後〜10^5年程度で、周囲に冷えたシェルと中心部に熱いガス(バブル)の構造が形成される。その後、星間磁場が構造に大きな影響を及ぼすようになる。 (1)磁場と平行な方向に膨張する部分のシェルは磁場がない場合と同じような進化をするが、磁場に垂直な方向のシェルは厚くなる。外側へ広がる衝撃波は速いモードの衝撃波となる。 (2)〜4×10^5年経過すると、磁場の張力の効果によって、中心部のバブルとシェルの境界は落下を開始する。 (3)〜1×10^6年程度で、高温ガスのバブルは葉巻型に変形する。内部の熱圧力が磁場による圧縮の効果で保たれるので、シェルは磁場に平行方向へは膨張を続け、細い葉巻型のバブルを生じる。 2.星間磁場強度1μG程度に弱くとると、磁場に垂直方向と平行方向の進化の違いは著しく減少する。 3.シミュレーションで得られた構造と観測との対応を調べるため、シミュレーション結果が現実にどのように観測されるかを輻射輸送計算によって調べる観測的可視化プログラムを開発した。 (1)星間分子の回転遷移に関する輻射輸送計算プログラムによって、 (あ)銀河中心ブラックホール周りの乱流ガス円盤、 (い)重力で収縮する星形成過程にある星間分子雲 のシミュレーション結果の観測的可視化をおこなった。
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