2004 Fiscal Year Annual Research Report
PrFe_4P_<12>の圧力誘起金属-絶縁体転移の機構解明と新たな圧力誘起相の探索
Project/Area Number |
16037210
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 達生 岡山大学, 理学部, 教授 (80205468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小手川 恒 岡山大学, 理学部, 助手 (30372684)
武田 圭生 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (70352060)
赤澤 輝彦 神戸大学, 海事科学部, 助手 (30346291)
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Keywords | スクッテルダイト / 高圧 / 金属-絶縁体転移 |
Research Abstract |
本研究では高圧下でスクッテルダイト構造を反映した特徴的な物性を探索し,その発現機構を明らかにすることを目的としている. 1.PrFe_4P_<12>の圧力誘起金属-絶縁体(M-I)転移 PrFe_4P_<12>の基底状態は,2.4GPa以上の加圧により反強四重極秩序した金属相から絶縁相に移り変わることが当グループにより発見されている.Prの価数が3価であるPrFe_4P<12>は非補償金属であるため,そのままではフェルミ面にバンドギャップを形成することは不可能であると考えられる.そこで、このM-I転移の機構を明らかにするため以下の測定を行った. (1)ホール効果測定:M-I転移に対応してキャリアー数が急激に減少していることが分かった.電気抵抗上昇の原因がフェルミ面のギャップ形成であり,絶縁体状態が確かに実現していることを明らかにした. (2)NMR測定:^<31>P核のNMR測定を行い、M-I転移に対応してNMR信号が急激に消失することがわかった.またこの信号消失の原因となりうる物理量(T_1、T_2、内部磁場)に何の前触れもなく信号強度だけが減少することから,このM-I転移は一次相転移であると結論される. (3)帯磁率測定:M-I転移に対応して帯磁率が減少することがわかった.このことから絶縁体状態ではPrのf電子が非磁性になっている可能性が示唆される. 2.その他のスクッテルダイト化合物における新たな圧力誘起相の探索 SmOs_4Sb_<12>,PrFe_4Sb_<12>,PrOs_4P_<12>,NdOs_4Sb_<12>,NdRu_4Sb_<12>,NdFe_4P_<12>,NdRu_4P_<12>において圧力誘起相の探索を行なった.このうちSmOs_4Sb_<12>については,常圧での基底状態が磁気秩序状態であること,常圧での状態が磁気臨界点近傍にあることが明らかになった.
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