2004 Fiscal Year Annual Research Report
f-電子多体系の磁性と超伝導に対する微視的理論:j-j結合描像に基づくアプローチ
Project/Area Number |
16037217
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
堀田 貴嗣 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (00262163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘明 特殊法人日本原子力研究所, 研究員 (10354903)
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Keywords | f電子 / 充填スクッテルダイト / 超伝導 / 磁性 / 軌道自由度 / スピン自由度 / 電子相関 / 結晶場 |
Research Abstract |
j-j結合描像に基づくf電子系の微視的モデル構成法を用いて、ネプツニウム化合物に対する軌道縮退ハバード模型を構築し、様々な理論手法を駆使してその模型の性質を調べた。まず、二酸化ネプツニウムNpO_2の25K以下に現れる秩序状態を明らかにするために、面心立方格子上で軌道縮退模型を解析した。その結果、4方向の八極子モーメントが配列した構造が基底状態となることを見出した。これにより、1953年に発見され、半世紀にわたって謎のままであったNpO_2の基底状態の正体が八極子秩序であることを微視的観点から解明することに成功した。次に、正方晶の格子上で軌道縮退模型を解析し、ネプツニウム化合物NpTGa_5の磁気構造が遷移金属原子丁によって変化する様相を明らかにした。さらに、充填スクッテルダイト化合物PrOs_4Sb_12の磁性および超伝導機構を解明するために、軌道縮退アンダーソン模型を数値繰り込み群法によって解析した。その結果、基底状態が非磁性の一重項でも、わずかな励起エネルギーで磁気的な三重項が存在していれば磁気揺らぎが低温まで生き残ることを見出した。j-j結合描像に基づいて考えると、h充填スクッテルダイト構造に特徴的な異方的混成効果のためにf電子のT_7軌道は遍歴的、T_8軌道は局在的となり、軌道自由度に基づくf電子の二重性(duality)によってPrスクッテルダイト化合物の近藤効果を理解することができる。そして、j-j結合描像に基づく軌道縮退ババード模型を対相関最適化法によって解析し、一重項と三重項状態が入れ替わる領域で異方的非BCS型の超伝導相関が増強されることを見出した。
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Research Products
(6 results)