2004 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下における有機超伝導体の単結晶角度回転^<13>C-NMR
Project/Area Number |
16038201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 充司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60251691)
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Keywords | NMR / 高圧 / 角度依存 / BEDT-TTF / ^<13>C |
Research Abstract |
有機導体の研究においてNMRは、微視的な観点から電子のダイナミクスを含む多くの情報を得ることができる優れた実験手段である。また有機物特有の柔らかさにより圧力を印加することによりその電子物性を容易に変化させることができる。そのため圧力下での単結晶角度回転NMRが重要となる。また、定量的な議論をするためには、単結晶による角度依存性の測定も重要となる。圧力下のNMRの研究は、圧力セルによるNMRプローブの放電の問題や圧媒体からの信号の除去、さらには、単結晶でおこなう場合は、小さい試料であるが故の微弱な信号の検出など、克服すべき問題も多い。そこで我々は、まずこれらの単結晶の圧力下の実験を安定しておこなえるようにする目的で装置のアゼンブル、性能評価を行い、圧力下で興味ある物性を示す物質の圧力下単結晶NMRをおこなった。 現在の圧力NMRシステムは、信号のSNもセルなしの場合とほとんど同じあり、放電対策のためスペクトル幅が狭くなる点を除けば、常圧での測定と大差なく測定できる状態に持ってくることができた。残された問題として、圧力セルの存在が、NMRプローブ内に多くの寄生容量を作りだし、そのために100MHz以上での同調を困難にしていることが挙げられる。この点については、プローブの共振系の構造などを工夫する必要があると考えている。
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Research Products
(5 results)