2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16038202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芥川 智行 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60271631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | 分子性導体 / 両親媒性 / Langmuir-Blodgett膜 / 電荷移動錯体 / 有機半導体 / 超薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、両親媒性の分子性導体が形成する分子集合状態に着目して、そのサイズ・形状・電子機能の設計を、超分子化学・界面化学のアプローチから研究を行った。本研究の目的は、1)分子性導体超薄膜の表面構造と膜厚の制御、2)分子性導体超薄膜の電子状態制御である。 16年度は、申請者らが独自に開発したエチレンジチオ置換型の両親媒性マクロサイクリックbis-TTF誘導体(1)が形成する電荷移動錯体に着目した研究を行った。両親媒性電子ドナー1に2等量のヨウ素分子を溶解させた電荷移動錯体溶液から、スピンコート法を利用して簡便にサイズ制御が可能なナノドット構造を基板上に固定化する手法を開発した。その際、基板を固定したスピナーの回転数を500から6000rpmの範囲で制御することで、ナノドット構造の直径を200から1000nmの範囲で任意に制御する手法を見出した。さらに、両親媒性ドナー1とTCNQ誘導体が形成する電荷移動錯体溶液を用いた場合、スピンコート法により、簡便に超薄膜構造が形成可能であることを見出した。均一な有機半導体超薄膜構造を、石英・ガラス・シリコン・マイカ等の各種基板上に簡便に固定化することが可能となった。また、超薄膜構造の厚さは、スピナー上に固定化した基板の回転速度を500から6000rpmの範囲で制御することにより、任意の厚みに制御可能であった。さらに、電子スペクトル測定から、超薄膜構造は約1eVのエネルギーギャップを有する有機半導体であることが判明した。また、17年度以降に実施予定の、ナノ構造の電気伝導度測定を行うために、新規に導入した絶縁抵抗計を用いた伝導度測定装置の構築に取り組んだ。
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