2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16038202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芥川 智行 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60271631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | 分子性導体 / 有機半導体 / オルガノゲル / ナノ組織構造 / 分子エレクトロニクス / 電荷移動相互作用 / 両親媒性分子 / ナノドット |
Research Abstract |
本研究では、Langmuir-Blodgett(LB)法やスピンコート法に代表されるウエット法から、分子性導体のナノスケール化に関する検討を行った。両親媒性マクロサイクリックbis-TTF誘導体の分子設計から、ナノドット・ナノワイヤ・ナノリング・ナノワイヤ-金ナノ粒子集積構造などの低次元ナノ構造を固体基板上に固定化する手法を開発した。 両親媒性TTF誘導体1が有機半導体ナノ構造の実現に対して有効なソフトマテリアルである事を明らかとした。分子1は、水素結合サイトを有さないにも関わらずオルガノゲルを形成する事が可能であった。これはオルガノゲル化合物としては、極めて珍しい例であり、ゲル形成に必要な分子間相互作用として、硫黄原子間の相互作用が利用可能である事を証明した新規な例である。分子性導体のソフトマテリアル化に関する第一歩を実現すると同時に、ソフトマテリアルの形成が分子の自己組織化を利用したナノ材料の開発に対して極めて重要で有る事を実証した。 次に、両親媒性bis-TTF誘導体が形成する分子集合体構造のナノスケールでの制御を目的とし、分子間力の制御を目的とした分子設計を試みた。2次元的な分子間相互作用を増加させた化合物1では、LB法からは安定な2次元超薄膜構造が形成した事から、スピンコート法による薄膜化に関する検討を試みた結果、化合物1とヨウ素が形成する電荷移動錯体にスピンコート法を適用する事で、マイカ基板上でnmからμmサイズの有機半導体ドット構造を固定化できる事を明らかとした。さらに、スピナーの回転速度を制御する事で、有機半導体ドットの直径をnmからμmサイズまで制御する事が可能であった。スピナーの回転数とマイカ基板上のドット構造のサイズの間には、良い相関が得られ、回転数を早くするほど、サイズの小さなドット構造の作成が可能であった。デバイス化に際して高い潜在能力を有している事が明らかとなった。
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Research Products
(13 results)