2004 Fiscal Year Annual Research Report
IV族化合物半導体ガラスの創製とその基礎物性の評価
Project/Area Number |
16039202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米永 一郎 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20134041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SLUITER MARCEL 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70292266)
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Keywords | 半導体ガラス / 半導体基礎物性 / XAFS構造解析 / 固溶体 / ナノ材料 / 機能材料 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
ゲルマニウムシリコン(GeSi、シリコンゲルマニウムとも呼ばれる)はダイヤモンド構造の全率固溶体としてバンドギャップ制御及び格子定数制御工学用半導体であるが、本申請者はこの結晶がいわゆる不完全ポーリング型の特異な構造であることを見いだした。この結果を踏まえ、本研究は上記のゲルマニウムシリコン固溶体を含めて、IV族元素の組み合わせた二元および三元固溶体半導体を育成し、その半導体ガラスの原子周囲での局所構造を調べて原子間結合の特徴を解明し、特異な半導体ガラスを創製しその物性を広範に展開する基礎知識を確立することを目的として進めた。本年度は以下の成果を得た。 (1)ゲルマニウムシリコン固溶体の構造と基礎物性の解明を進め、無秩序配列であること、Ge-Ge、Ge-Si、Si-Siの結合距離が全て組成に対してほぼ同じ依存性を持って変化することを結論し、原子結合のモデルを提示した。次に、電子顕微鏡でのエネルギー損失構造解析EELS法により酸素がSi-Si原子の結合ボンドの中間に優先的に配置し、Ge-GeおよびSi-Ge間には位置しないこと、そしてSi-Siボンド間への酸素の過剰な侵入によるSiO2ガラスの形成の初期段階を見出した。 (2)IV属元素で構成されるGe-Si-Sn三元系とGe-Snの二元系化合物半導体について、Sn組成が0から100%まで20-25%間隔で、Si組成が0から25%まで種々の組成の試料を急冷法により直径5mm長さ20mmの棒状に育成した。それらの試料はEDX法による組成分析の後、物質構造科学研究所の放射光施設(KEK-PF)の透過型XAFSビームラインを利用して低温の20Kにおいて、Ge原子及びSn原子周りの局所構造解析を行った。その局所構造は組成によらずゲルマニウムシリコンと同じ特徴を示すことが得られた。
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