2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16039203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 仁丈 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30292246)
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Keywords | バルク金属ガラス / 自己拡散 / 熱的安定性 / Pd基 / 拡散機構 |
Research Abstract |
究極的に安定な金属ガラスとは原子の移動が非常に困難なものをさす。このため金属ガラスにおける熱安定性の議論には熱平衡的な取り扱いのみならず速度論的な取り扱いが不可欠である。金属ガラスにおける原子の移動現象を速度論的に解明するには構成元素すべての原子の拡散係数を決定するのみならず、同位元素効果や拡散係数の圧力依存性から得られる活性化体積に関するデータを総合的に扱う必要がある。本研究では金属ガラスを構成する全元素の拡散挙動および相変態速度などをできる限り包括的に取り扱い、金属ガラスにおける原子の移動現象を解明することを目的とする。実験対象としたのは、ガラス形成能が非常に高いことが知られているPd-Cu-Ni-Pバルク金属ガラスである。X線回折パターンから非晶質であることを確認した。また示差走査熱量測定にて決定したガラス転位温度および融点は報告値とよく一致している。過冷却液体状態において拡散実験を行うため、拡散試料を用いてTTT図を決定した。^<32>Pおよび^<67>Cuの拡散係数はイオンビームスパッタセクショニング法を用いて決定した。過冷却液体状態にけるPの拡散係数はCuのものより2桁小さいことが明らかになった。これはPとCuの拡散挙動が大きく異なることを示唆している。
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