2004 Fiscal Year Annual Research Report
TiNi系形状記憶合金の表層強加工による非晶質化の機構と生体適合性の評価
Project/Area Number |
16039209
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
土谷 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50236907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 泰典 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30218656)
戸高 義一 豊橋技術科学大学, 工作センター, 助手 (50345956)
梅本 実 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90111921)
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Keywords | 形状記憶合金 / 強加工 / 非晶質 / ナノ結晶 / ショットピーニング |
Research Abstract |
TiNi系形状記憶合金は、医療デバイスへの応用が急速に拡大しており、生体内環境におけるNiイオンの溶出を抑える表面処理法の開発が急務である。本研究ではショットピーニングによる表層非晶質化の条件、非晶質化による耐食性の変化を調べ、その機構を明らかにすることで生体適合性の向上を目指す。今年度は特に表層非晶質化のためのショットピーニング条件(ピーニングメディア、空気圧、ショット径等)の定量的検討と、表層非晶質化過程における微細内部組織の変化を明らかにすることに重点をおいた研究を行った。 鋳鋼、WCのピーニングメディア(ショット)を用い、10秒から120秒までピーニングを行った。X線回折の結果、10秒のピーニングで既に回折ピーク強度の低下、ピーク幅の増大が起こった。B2相の(110)ピークの半価幅から結晶子サイズを求めた。結晶子サイズはピーニング時間と共に減少し、60秒後は10〜15nmであった。WCショットを用いた場合は表面にWCが多量にめり込んで残存することがわかった。 ピーニングした面をコーティングして裏面から電解研磨することで、加工層のTEM観察を行った。その結果、10秒という短時間のショットピーニングでも既に一部非晶質化が起こり、非晶質中に粒径20nm程度のナノ結晶が分散した組織となっていることが明らかになった。X線回折の結果と併せて考えると、表層非晶質化は10秒程度の短時間のショットでも起こるが、ピーニング時間の増大と共に非晶質層厚が増加していると考えられる。
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Research Products
(4 results)