2004 Fiscal Year Annual Research Report
IV族-貴金族合金の過冷却液体及びガラス状態におけるミクロ構造とダイナミクス
Project/Area Number |
16039215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武田 信一 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10111733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川北 至信 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50264015)
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Keywords | IV属-貴金属合金 / 静的構造 / ガラス / 液体合金i / Au-Si / Au-Ge / ダイナミクス / 共晶組成 |
Research Abstract |
今年はIV属のGe及びSiについて液体状態の構造の詳細を調べる目的でSpring8のBL04B2ビームラインでX線透過法を用いてX線回折実験を行った。液体Ge及びSiのX線透過法による測定結果によると構造因子の第1ピーク付近から低波数領域でこれまでの試料水平方式の反射法による測定結果とは少し異なる結果を得た。またAu-Si合金系について共晶組成領域近傍での静的構造の温度及び組成変化を調べる目的で原研HERMES分光器を用いて中性子回折実験を、またSpring8のBL04B2ビームラインを用い、X線回折実験を行った。ガラス形成する液体合金の共晶組成領域における構造の温度変化の測定を行った。中性子回折実験の結果からガラス状態で観測されたプレピークが1,5(1/A)近傍に観測されたが、X線回折による結果からは明瞭なプレピークは観測されなかった。液体Si及びAr-Si合金系の構造測定及びRMCモデリングの結果などについては物理学会や金属学会で発表してきたが、その際国内旅費を使用した。 ただこのプレピーク付近の測定結果の差についてはAu原子が中性子の吸収が大きいことを考慮し、Au-Si合金系の測定法の改良を行って、再度液体状態における中性子回折実験を行う予定である。またこの組成近傍のガラス状態の構造を調べるためガラス試料の作成を試みたが、バルク試料の作成が不十分であったためが、備品として購入した赤外線ゴールドイメージ炉を用いて試料作成を行い、作成したガラスの構造測定を行う予定である。両回折実験から液体状態及びガラス状態における部分構造及び局所構造の詳細を得る予定である。これらの結果についてRQ12(Jeju, Korea)で発表予定である。 またAu-Si及びAu-Ge合金系について共晶組成領域近傍における電子状態を調べるため現在磁化率の測定を、動的性質を調べるために超音波音速・吸収の測定を行っている。 これまでの主として液体Ge合金系の構造およびダイナミクスの研究結果については第12回液体及びアモルファス金属の国際会議(LAM12, Metz, France)で発表した。
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