2004 Fiscal Year Annual Research Report
バルク金属ガラスに特有な弾・塑性変形挙動の観察とそのメカニズムの検討
Project/Area Number |
16039220
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 和孝 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10156862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡中 憲治 宇部工業高等専門学校, 校長 (60026193)
吉田 政司 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (10370024)
久冨木 志郎 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (90321489)
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Keywords | バルク金属ガラス / アモルファス / 擬弾性 / すべり / 疲労き裂 / 破壊力学 / 陽電子消滅法 / ナノインデンテーション |
Research Abstract |
Zr基,Pd基,La基バルク金属ガラス(BMG)は,いずれもせん断応力下で顕著な擬弾性を生じることを報告してきている.他の金属基BMGについても引張・ねじり試験を実施し,それらの結果を総合して検討することにより,BMGにおける負荷形式,機械的性質(弾性係数とポアソン比等)と擬弾性挙動の関連を明らかにする.本年度はこのためのTi基,Cu基,およびNi基丸棒試料(直径2mm長さ約50mm)を作製し,試験治具の設計を行った. BMGにおける応力とすべり変形挙動の関係を検討するため,旋削時の切屑におけるすべり変形を観察した.その結果,一定なせん断角を有する一つのすべり面でほぼ等間隔(約10μm)にすべり切るとともに,その面間においても約0.3μm間隔ですべり切った面と平行に周期的に僅かにすべっていることを観察した.引続き,主分力と送り分力の測定を行い,負荷の解析を行ってすべり変形挙動との関係を検討する. 疲労き裂が荷重軸に対して約45°斜め方向に進展する原因を探るため,大きなZr基BMG板材をアーク溶解鍛造法で作製し,これよりBMG材としては大きな試験片(板幅30mm,長さ90mm,板厚2.5mmの中央き裂引張試験片)を作製した.また疲労き裂先端前方微小領域の硬度測定が可能な微小表面材料評価システム(硬度測定荷重0.01〜100gf)を購入し,格子点の硬度が測定できることを確認した. BMG平滑材の疲労において,応力の繰返しとともにフリーボリュームが変化するかどうかを検討するため,予備的実験として高張力鋼における繰返し応力下の陽電子消滅時間と繰返し軟化の関係を求めた.その結果,軟化(可動転位密度の増加)と陽電子寿命が対応づけられ,BMGの応力繰返しに伴うフリーボリューム変化が陽電子消滅法により測定できると考えられた.
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Research Products
(2 results)