2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプラズマリアクターによる革新的部分酸化法の開発
Project/Area Number |
16040206
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50226643)
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Keywords | マイクロリアクター / プラズマ / 部分酸化 / ベンゼン / トルエン / フェノール / クレゾール |
Research Abstract |
この研究では、微少空間に大気圧非平衡プラズマを生成させたマイクロプラズマリアクター用いて、有機化合物の革新的な部分酸化反応法を開発することを目的とするものである。マイクロリアクターの特徴である精密な温度制御・滞留時間制御と、プラズマの特徴である反応活性化の両効果により、シンプルかつ高効率で、目的とする部分酸化が達成できると期待される。そこで実際に、いくつかの炭化水素の部分酸化を行い、その反応機構解析を通して、マイクロプラズマリアクターによる革新的部分酸化法の開発を行う。今年度は、試料ガスにベンゼンとトルエンを用い、酸素との混合ガスを反応ガスとして、プラズマ反応器に導入した。ここで、プラズマは誘電体バリア放電により発生させた。そして、これら二つの芳香族化合物の部分酸化挙動を比較し、酸化特性に関する知見を得ることを目的とした。実験の結果、ベンゼンの場合には、これまでの研究結果と同様に、フェノールの生成を、一方、トルエンの場合には、ベンゼン環に水酸基の付いたクレゾール、側鎖のメチル基が酸化されたベンズアルデヒド、ベンジルアルコールの生成が確認された。分析結果からは、これらの酸化生成物だけでなく、ベンゼンの場合にはブタジエンを主成分とするC4化合物が、トルエンの場合には、同様なC4化合物やベンゼンの生成も確認された。これらの生成物に及ぼす滞留時間、印加電圧、放電間隔の操作条件の影響を調べたところ、酸化生成物に関しては、滞留時間や放電間隔に対して最適な値を持つことがわかった。一方、C4化合物については、ベンゼンやトルエンの転化率と同じ挙動を示した。これらのことから、酸化反応機構の解析を行い、酸化生成物は活性酸素種が生成に寄与する一方で、酸化生成物自体もさらに酸化してしまうこと、一方、C4化合物は電子の原料芳香族への衝突により生成すると予想された。
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