2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクログロープラズマの開発とシリコンナノ粒子の合成
Project/Area Number |
16040207
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野崎 智洋 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90283283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20124729)
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Keywords | ナノ材料 / 熱工学 / プラズマ科学 / マイクロプラズマ / シリコンナノ粒子 / 非平衡プラズマ / マイクロリアクタ / 大気圧グロー放電 |
Research Abstract |
はじめに: 大気圧で空間均一性の高い反応性非平衡プラズマを形成するためには,プラズマリアクタのマイクロスケール化が有効である。ナノ秒で生成と消滅を繰り返すストリーマ放電とは異なり,リアクター全体を均一にプラズマ化できるため,原料ガスの歩留まりが著しく向上するほか,プロセスの制御性も改善できるメリットがある。我々は、高密度(電子密度〜10^<15>cc^<-1>)かつ低ガス温度(〜1500K)の大気圧グロープラズマをマイクロ反応場で形成し、様々なナノ粒子を気相合成するための技術開発を行った。一方,リアクターのマイクロスケール化に伴って電力密度が著しく増大するため,反応場の温度が数1000℃まで上昇してしまい,プラズマの非平衡性のみならず高温そのものがプロセスに多大な影響を及ぼすようになる。そこで,水冷電極を用いてリアクター自身を強制冷却することでガス温度の上昇を抑制し,より高度な非平衡プラズマを形成するためのマイクロプラズマリアクターを試作した。 実験および結果: 実験ではAr又はHeをベースにCH_4を供給し,144MHzのVHF電源を用いて内径800μm,長さ10mmのキャピラリー内部にマイクロプラズマを形成した。キャピラリーは水冷された銅製のヒートシンクに挿入されており,プラズマで発生した熱を効率よく除去できる仕組みになっている。ガス流量(Ar or He:500〜1000sccm,CH_4:〜5sccm),電力(20W〜40W)を変化させて,CHの回転スペクトルからプラズマのガス温度を計測した。H_βのシュタルク広がり求めた電子密度は約10^<15>cc^<-1>で,リアクタ内径を細くするほど電子密度は増加した。CH_4流量はもちろん,水冷の有無によってもマッチングが変化するため正確な電力を見積もることは容易ではないが,電力を20W投入した場合、ガス温度は1500Kまで上昇するが、安定にプラズマを形成する技術、それをキャラクタリゼーションする手法を確立した。
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Research Products
(3 results)