2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子シミュレーションによる超臨界流体の構造と電子状態
Project/Area Number |
16040209
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
仙田 康浩 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (50324067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田子 精男 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (80303254)
星野 公三 広島大学, 総合科学部, 教授 (30134951)
下条 冬樹 熊本大学, 理学部, 助教授 (60253027)
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Keywords | シミュレーション / 超臨界 / マイクロプラズマ |
Research Abstract |
二酸化炭素(以下,CO_2)中のμmオーダーの電極間に生じるプラズマ放電現象が調べられ,高圧高温の超臨界付近で電極間の放電開始電圧が急激に減少する特異な現象が報告された.超臨界付近では密度の揺らぎが増大してミクロ的には分子凝集形態やそれに伴う電子状態に大きな変化が生じている.そのような超臨界二酸化炭素の物性の変化が放電開始電圧の降下と関連していると指摘されており,微視的なメカニズムの解明に向けた取り組みが必要であった.本研究課題は電子状態を含めた分子シミュレーションの手法を用いてマイクロプラズマの仕組みを原子・分子レベルから解明することを目標とした.超臨界のCO_2中では密度揺らぎにともない様々なCO_2クラスターが現れる。前年度に行った超臨界CO_2状態のモデルとしてCO_2分子数個からなるクラスターの構造と電子状態を第一原理計算による構造最適化の計算により、CO_2クラスターの量子化学計算によりCO_2クラスターの安定構造と電子状態を得て,これらの計算結果からクラスター化に伴ってイオン化エネルギーが減少し電子親和力が増すことわかった.17年度はこの結果をうけて、このクラスター化に伴うCO_2雰囲気の物性の変化をTownsent放電理論の式に組み込むことを試みた.本特定研究グループが考案した超臨界状態での放電開始時における電子輸送モデルと我々のクラスターモデルを組み合わせことにより、放電開始電圧の降下を定量的に再現することに成功し、その現象のメカニズムを説明することができた。
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Research Products
(2 results)