Research Abstract |
マイクロ波励起電熱加速型マイクロプラズマスラスターについて,これまでの数値モデル解析(マイクロプラズマ源におけるプラズマ生成・維持とマイクロノズルにおけるプラズマ流れ),数値解析にもとづくマイクロプラズマスラスターの推進性能評価,およびマイクロプラズマ源の試作をベースに,本年度は,マイクロプラズマスラスターとしての性能実証を行った.[1]マイクロプラズマ源(内径1.5mm,長さ10mm,同軸型,動作ガスAr)のプラズマ特性(電子密度・温度,ガス温度)の診断により,推進性能に直接影響するガス温度は700-1800K程度であり,プラズマ源の下流ほど温度は高く,オリフィスから真空中に膨張すると,超音速断熱膨張に起因して温度が急激に減少することを明らかにした.[2]プラズマ診断とモデル解析を組み合わせた推進性能評価により,推力0.98-1.2mN,比推力65-70s程度が得られることが推測できた.[3]微細加工法を駆使して,石英製の精密マイクロノズル(スロート径0.2mm,長さ1mmのラバールノズル)を試作し,マイクロプラズマ源と接続することにより,よりスムーズな流れ構造を有する超音速マイクロプラズマジェットの形成に至った.さらに,[4]レーザ変位計と振り子スタンドを用いた微小推力(精度<0.1mN)測定法を開発し,マイクロプラズマスラスター(マイクロプラズマ源+マイクロノズル)としての推力測定を行った.その結果,本研究で提案のマイクロプラズマスラスターの性能として,推力〜1.2mN,比推力〜80s,推進効率〜4%が得られ,超小型衛星(<10kg)の軌道・姿勢制御に適用できることを実証した.
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