2004 Fiscal Year Annual Research Report
リゾチーム・αラクトアルブミンの構造変換と細胞結合機能
Project/Area Number |
16041201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新田 勝利 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80001858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 誠 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70188704)
相沢 智康 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40333596)
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Keywords | NMR / タンパク質 / 圧力変性 / 立体構造 / ラクトアルブミン / リゾチーム / アポトーシス |
Research Abstract |
本年度はリゾチーム・αラクトアルブミンを研究対象として中心に用い、タンパク質の構造形成に伴うfolding-unfoldingの挙動の圧力依存性を測定し、疎水性相互作用にともなう常圧付近におけるunfoldingの体積変化を定量的に評価するとともに、水溶性タンパク質特有のfolding中間体形成機能を新たな細胞制御因子の開発に応用することを目的として研究を進めた。 まず、リゾチーム/αラクトアルブミンで観測されるの水系の圧力・熱変性挙動と脂肪酸結合型αラクトアルブミン等の場合とを比較する研究を進めるための準備として、圧力変性を用いた体積挙動・構造安定性に関する基礎データの収集をすすめ、この結果を学会発表及び国際誌に発表した。 次に、リゾチーム・αラクトアルブミンの複合体形成のNMR構造解析の準備として、NMR用試料として^<15>Nシングルまたは,^<15>N,^<13>Cダブルラベル化タンパク質を調製、^<13>Cラベル脂肪酸結合処理をした^<15>N(^<13>C)ラベル化αラクトアルブミンのHSQC-NMR等の測定・解析をすすめ、脂肪酸結合サイト、結合量を決定するための予備実験を進めた。 さらに、これらの試料と膜との相互作用を検証する観点から、リゾチーム・αラクトアルブミンのアポトーシス誘導活性測定をすすめた。ガン化培養細胞への脂肪酸結合αラクトアルブミン等の細胞活性の研究をすすめ、アポトーシス初期の細胞形態を観察した。ヒト、ウシおよびキメラ型のαラクトアルブミン、カルシウム結合型リゾチームとその組み換え体等の脂肪酸コンプレックス形成処理を行い、ガン細胞のアポトーシス誘導活性を生物種ごとに評価することで、活性発現に重要な一次配列及び立体構造上の特徴について、検証を進めた。一連の成果は学会発表で公表するとともに、国際学術誌に投稿準備中である。
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Research Products
(3 results)