2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識における蛋白質のエネルギー地形階層性と水和構造変化の役割
Project/Area Number |
16041208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北尾 彰朗 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (30252422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城地 保昌 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30360415)
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Keywords | 分子認識 / 蛋白質 / 水和構造 / エネルギー地形 / 階層性 |
Research Abstract |
本研究では、「段階的分子認識モデル」が既に示されているアルコール脱水素酵素等を主なターゲットとして以下の3つのことを明らかにすることを目指している。すなわち、(1)分子認識過程のシミュレーション、(2)分子認識過程におけるエネルギー地形の変化、(3)分子認識における水和構造変化の役割、である。 本年度はまず、(1)(2)の解明を重点に研究をおこなった。「開」構造で結合ドメインにリガンドが結合した状態(結合中間状態)をシミュレーションの初期構造としてモデリングし、分子動力学シミュレーションを開始した。その結果、リガンドが存在することによって開閉ドメインが移動し「閉」構造が出現する過程をシミュレートすることができた。 このシミュレーションの詳しい解析により、2量体で機能するアルコール脱水素酵素はドメインの動きに相関が見られることが明らかになった。これは一種のアロステリックが効果と考えられるので、現在これに注目した新しい解析を進めている。更に来年度は、これらのドメイン運動と水和構造変化の関係を明らかにする必要がある。 また、分子シミュレーションを用いて、構造ゆらぎのパターンと非干渉性中性子非弾性散乱実験データの関係を解析した。これにより150K以下の低温で観測されるボゾンピークの起源は水和によるエネルギー面の微細構造であることを明らかにし、機能と密接に関与しているといわれているガラス転移との関係も示した。
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