• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

温度ジャンプによるプリオン中間体形成反応の速度論的解析

Research Project

Project/Area Number 16041218
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

桑田 一夫  岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 教授 (00170142)

Keywordsプリオン / 熱安定性 / NMR / 高圧NMR / CPMG分散法 / 連続フロー / 温度ジャンプ / 中間体
Research Abstract

正常型プリオンは,立体構造変換を起こし,異常型(感染型)構造に変化する。平衡測定では,正常型と変性型の自由エネルギーの差は約8.0kcal/molあり,正常型プリオンは,必ずしも熱力学的に不安定とは言えないことが分かった。次に変性状態から正常型への巻き戻り過程の反応速度を解析した。通常のストップト・フロー法では不感時間内に反応が終わってしまうので観測できないが,連続フロー法を用いることにより,この巻き戻り反応の時定数が,常温で約100マイクロ秒であることが分かった。
高圧NMRを用いて,これらの過程を原子分解能でつぶさに観測すると,B及びCヘリックスにある特定のアミノ酸残基の熱安定性が低いことが分かった。さらに,核磁気共鳴法(NMR)法により,プリオンのマイクロ秒からミリ秒の遅い揺らぎが,同様の部位,すなわち,B及びCヘリックスにおいて集中的に観測された。
これらの現象は,プリオンの構造形成過程超早期において,中間体が形成される可能性を示唆している。さらに,高圧NMRで見られた化学シフトの変化のうち圧力に線形に依存する部分と,揺らぎによる化学シフトの変化との間に良い相関がみられた。この事実は,遅い揺らぎが,天然構造の範囲内で起きていることを示している。このことはさらに,位相空間で考えた場合,プリオンの構造転換に関与する初期の構造変化が,天然構造におけるダイナミクス,さらには熱安定性へと接続できることを示唆している。このような結果を踏まえ,プリオン立体構造形成過程の超早期過程(ナノ秒オーダー)を特徴付けるための,レーザー励起による温度ジャンプ観測システムを,現在構築しているところである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2005 2004

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 素数とプリオン 21世紀における生命科学の新表現理論への挑戦2005

    • Author(s)
      桑田 一夫
    • Journal Title

      数理科学 499

      Pages: 45-53

  • [Journal Article] Slow Conformational Dynamics in the Hamster Prion Protein2004

    • Author(s)
      Kazuo Kuwata
    • Journal Title

      Biochemistry 43(15)

      Pages: 4439-4446

  • [Journal Article] プリオン中間体と治療薬開発 分子感染機構と創薬制御2004

    • Author(s)
      桑田 一夫
    • Journal Title

      蛋白質 核酸 酵素 49(7)

      Pages: 1110-1112

  • [Book] 長寿社会を支える健康食「食の安全性」-その現状と将来展望2004

    • Author(s)
      奥田博明
    • Total Pages
      180
    • Publisher
      東京教育情報センター

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi