2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16041232
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三本木 至宏 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (10222027)
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Keywords | シトクロムc / 蛋白質の安定性 / 環境適応 |
Research Abstract |
本研究は,蛋白質の安定化機構と細胞内での構造形成の関係を明らかにすることを目的とする。研究には,数ある蛋白質の中でもっとも歴史が古く,これまでに多くの研究者が携わってきたシトクロムcを用いる。具体的な研究項目は,(1)様々な自然環境からシトクロムcを取得し,その安定性を測定する,(2)シトクロムcに対して変異を導入し,安定性維持に関わるアミノ酸を同定する,(3)シトクロムcの生合成の過程を追跡し,安定性と細胞内での構造形成の機構の対応関係を解明する,である。本年度の計画実行により,各研究項目に対して以下の成果を得た。 種々のシトクロムcの安定性測定 様々な温度に生育する五種類のグラム陰性細菌,(I)Aquifex aeolicus(生育温度:95℃),(II)Hydrogenobacter thermophilus(同72℃),(III)Hydrogenophilus thermoluteolus(同52℃),(IV)Pseudomonas aeruginosa(同37℃)および(V)Shewanella violacea(同8℃)すべてから,相同なシトクロムc遺伝子をクローン化し,大腸菌でホロ型蛋白質として発現に成功した。精製した各シトクロムc蛋白質の熱や変性剤塩酸グアニジンに対する安定性を測定したところ,生育温度に対応した安定性を示すことが分かった。特に,(1)由来のシトクロムcは,150℃で変性しはじめるという超耐熱性を示し,その分子機構に興味がもたれる。
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Research Products
(1 results)