2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16041244
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤坂 一之 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50025368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 雅夫 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (20258065)
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Keywords | ユビキチン / NEDD8 / 熱励起構造 / 準安定構造 / 局所変性構造 / 可変圧力NMR / 低温変性 / 分子内キャビティー |
Research Abstract |
1.ユビキチンとユビキチン様蛋白質NEDD8に共通に保存された熱励起構造:ユビキチンとNEDD8はアミノ酸配列相同性58%で、その立体構造は極めてよく似ている。しかし類似しているが異なる修飾系を構成し、その機能の多様性も異なる。広い圧力(1bar-3.7kbar)・温度(?21-90℃)範囲におけるNMR測定とスピン緩和測定から、ユビキチンとNEDD8には共通の熱励起構造が存在することが明らかになった。興味深いことに構造変化は、2つの蛋白質で保存されたアミノ酸配列上で生じていた。また、基底構造が極めて相同な2つの蛋白質でも、そのエネルギー地形は大きく異なることも分かった。 2.ユビキチンの低温変性:これまでの可変圧力NMR研究から、ユビキチンは加圧により、基底構造(N1)から準安定構造(N2)、局所変性構造(I)、変性構造(U)の順に変性することが分かっている。2000気圧下で、90℃から-21℃まで温度を可変し、熱変性、低温変性を1次元、2次元NMR測定、FT-IR測定により追跡した。温度変性においても、圧力変性と同様の局所変性構造が確認され、N1,N2,I,Uの4つの状態は、広い温度、圧力下でも平衡状態で存在していることが証明された。また圧力、熱、低温のいづれの変性状態についても、ユビキチンに典型的なβシート構造は概ね消失していることが分かった。 3.分子内キャビティーの保存性と運動性について:蛋白質分子内キャビティーは、分子内側鎖の運動性や、蛋白質全体の体積揺らぎと関係している。複数種のリゾチームとシトクロムCについて、配列相同性とキャビティー分布の相同性を調べた。いずれの蛋白質についても、活性部位付近では、キャビティーの保存性が高いことが分かった。これは、機能発現に構造変化すなわち体積揺らぎが関係していることを示唆する。 4.アミロイドプロトフィブリルについて、高圧NMRによる可逆的な圧力解離現象を発見した。
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