2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043209
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 明美 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90359597)
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Keywords | Bcl6 / 記憶T細胞 / CD8T細胞 / CD4T細胞 / グランザイムB / インターフェロン-γ / 転写因子 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
(1)活性化CD8T細胞におけるBcl6標的遺伝子の解析 Bcl6は記憶CD8T細胞の分化を正に制御している。本研究ではグランザイムBが活性化CD8T細胞におけるBcl6の標的遺伝子であることを明らかにした。活性化CD8T細胞では遺伝子レベルでも、蛋白レベルでもBcl6欠損マウス(Bcl6-KO)由来細胞でグランザイムBの発現が亢進しており、lck-Bcl6-Tgで逆に低かった。グランザイムB遺伝子プロモータにBcl6結合部位が存在しプロモータ解析の結果、グランザイムBのプロモータ活性をBcl6がヒストン脱アセチル化酵素を誘導することで負に制御することが明らかになった。またBcl6とSTATとの同部位に対する競合が、二つめの分子機構として存在する可能性が示唆された。グランザイムBは感染微生物の排除に中心的に働くが、これらを産生する活性化リンパ球そのものの細胞死をも誘導し、免疫応答にも影響することが報告されている。Bcl6は活性化CD8T細胞のグランザイムBの発現を調節することで長期の免疫応答の調節にも関わっている可能性が示唆された。 (2)記憶CD4T細胞分化におけるBcl6の機能解析 獲得免疫の質の調節、長期維持にはCD4T細胞が深く関与しているが、記憶CD4T細胞の分化維持におけるBcl6の役割に関しては明らかにされていない。本研究では抗原特異的記憶CD4T細胞誘導過程におけるBcl6の機能をDO11.10背景のBcl6-KOマウスを用い免疫実験で評価した。その結果Bcl6-KO由来CD4T細胞は長期維持されなかった。Bcl6-KO由来CD4T細胞はエフェクターCD4T細胞には分化するが、維持過程において記憶CD4T細胞前駆細胞を含むとされるIFN-γ非産生細胞が減少していくことから、Bcl6はIFN-γ非産生細胞の生存維持に必要であることが明らかになった。
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