2004 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜免疫監視の場としてのGALT・NALTを介した免疫制御誘導の解明
Project/Area Number |
16043214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
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Keywords | 粘膜免疫 / 粘膜ワクチン / AIDSワクチン / 分泌型IgA / 経鼻ワクチン / 経口ワクチン |
Research Abstract |
粘膜免疫応答誘導の場として重要な役割を果たしている腸管関連リンパ組織群、パイエル板、腸間膜リンパ節などがこれにあたる。例えばパイエル板は経口免疫応答の誘導組織として知られ、抗原特異的なT細胞やB細胞はここで抗原に感作される。我々は腸管孤立リンパ小節(ILF : J.Immunol.168:57,2003)を新しい粘膜免疫の場として同定し本研究計画ではその役割を明らかにする。そこで、胎生期(15-17日)にLTβR-IgとTNFR55-Igの両方で処理するとパイエル板・腸管膜リンパ節組織は欠損しているが、腸管孤立リンパ小節だけが存在するマウスを作成することが出来た。パイエル板単独欠損マウスと比較しながら抗原特異的IgA誘導におけるパイエル板・孤立リンパ小節の関与を詳細に比較・検討している。例えばパイエル板のみが欠損したLTβR-Ig処理マウスをコレラ毒素で経口免疫とすると、血清および糞便中に誘導されたCT特異的IgGおよびIgA抗体価に関しては、糞便中のIgA抗体価の上昇が若干遅れていたが、最終的には無処理マウスのそれらと同等であった。これに対して、パイエル板と腸管膜リンパ節が欠損したILFだけが存在するLTβR-Ig/TNFR55-Ig処理マウスにおいては、糞便および血清中のCT特異的IgA抗体産生が著しく阻害されていた。特に、糞便中のCT特異的IgA抗体においては全く検出されなかった。しかしながら、血清中のCT特異的IgGに関しては、対照群マウスのそれと同等の抗体価であった。これらの結果はILFだけでは腸管における粘膜免疫系が作動せず、パイエル板と腸管膜リンパ節との三者間が相互性に粘膜免疫誘導ネットワークを形成し腸管免疫の場を提供している。
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Research Products
(10 results)