2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043224
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木梨 達雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (30202039)
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Keywords | インテグリン / 細胞極性 / 遊走 / 免疫応答 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
免疫17年度の実績:(1)RAPL会合分子を単離と制御機構の解明。(2)RAPLトランスジェニックマウスの作製と解析。前年度の研究で作製した活性化RAPL変異体を用いてyeast-two-hybrid法にてsterile20-like kinaseファミリに属するセリン・スレオニンキナーゼ(STKと呼ぶ)が同定された。STKはRAPLのC末端領域に結合し、活性化Rap1(Rap1V12)によって会合が上昇する。またRap1V12とRAPLによってリン酸化やキナーゼ活性の上昇がみられた。STKはリンパ球に発現し、TCRやケモカインCCL21刺激によってリン酸化が誘導される。しかし、RAPL欠損リンパ球ではSTKのリン酸化がほとんど見られなかった。リンパ球においてSTKは細胞質とくに核周辺領域に局在しており、RAPLの分布とほぼ一致していた。ケモカイン刺激によってリンパ球はラッフル膜を持つ先端とuropodを持つ後端を生じるが、RAPLとSTKは先端膜に移行し、共局在した。またこの分布はLFA-1とも一致した。一方、RAPL欠損リンパ球ではSTKの分布が細胞質から核にdiffuseに広がっていた。マウスproB細胞株BAF細胞や3A9T cell hybridomaにSTKを過剰発現させると、LFA-1によるICAM-1接着が亢進するが、キナーゼ欠損変異体では効果が見られず、むしろRap1V12による接着上昇を阻害した。また3A9T細胞とB細胞APCとの免疫シナプス形成においてSTKは免疫シナプスに局在し、LFA-1,RAPLと共局在した。さらにRAPLの接着機能にSTKが必須の役割を果たしているか調べるために、RNAiによってSTKをknockdownsしたところ、Rap1V12による接着やケモカインやTCRによる接着亢進を阻害した。以上の結果からSTKはRAPLによるインテグリン接着制御に重要な分子と考えられた。RAPL, STK, LFA-1の細胞内の移動機構を小胞輸送や細胞骨格との関連に注目し、その作用機序を今後明らかにする。(2)RAPL欠損TCR-Tg(H-Y, OT-I)マウスやT細胞特異的RAP-Tgマウスが樹立できた。現在解析中である。ANDやOT-IIマウスとの交配も進めている。18年度にRAPL欠損と過剰発現によるT細胞分化と機能変化を明らかにする予定である。
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Research Products
(3 results)