2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043234
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西本 憲弘 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80273663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 大 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (10372624)
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Keywords | シグナル伝達 / プロテオーム / マイクロアレイ / 免疫学 / 薬剤反応性 |
Research Abstract |
インターロイキン6(IL-6)は免疫応答や炎症・造血反応を調節する免疫監視システムにとって重要な情報伝達分子である。しかし、その過剰産生は関節リウマチ(RA)をはじめとする自己免疫病の病態形成に関わっていること、IL-6阻害はRAの治療に有効であることを明らかにしてきた。今回、DNAチップを用い自己免疫疾患患者の末梢血で異常発現する分子を網羅的に検索するとともに、IL-6阻害治療前後での発現量の変化を検討することで、IL-6阻害治療の効果発現機序に関わる分子の同定を試みた。 まず、全身性エリテマトーデス(SLE)患者とRA患者末梢血で、30000個の遺伝子を同時に検索可能なDNAチップ(ACEgene【○!R】)を用いて分子発現を網羅的に解析し、健常人との比較を行った。SLEではIFN-inducible gene分子を含む48分子が、RAでは74分子が変動していた。SLEとRAで共通して変動が見られた分子は5分子あったが、RAではIFN-inducible geneに変動は見られなかった。 次に、難治性SLE患者にヒト化抗IL-6レセプター抗体による探索的治療を行い、如何なる分子群がIL-6阻害により発現が抑制あるいは亢進するかを検討した。この検索で、細胞周期に関わる分子を含めた3分子が治療により有意に変動した。これらの分子の機能の解析により新たな治療標的分子を見出せる可能性がある。また、同じ手法で、若年性特発性関節炎(JIA)の患児において、IL-6阻害治療を行った際の薬剤反応性と関連する分子群を検索が可能である。また、クラスタ解析を行い、特にDNASIS【○!R】STATを用いデンドログラム、K-means、自己組織化マップの各手法を用いて、IL-6阻害の真の標的分子の絞り込みが可能である。
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Research Products
(14 results)