2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043237
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高浜 洋介 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 修平 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (00263898)
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Keywords | Tリンパ球 / 細胞分化 / 胸腺 / ケモカイン / 器官構築 / CCL21 / CCL25 / メダカ |
Research Abstract |
免疫監視の司令搭として中心的役割を果たすTリンパ球は胸腺にて分化する。このとき、胸腺での分化遂行のためには一次造血組織から胸腺への前駆細胞移動が必要であり、免疫監視機能執行のためには胸腺から二次リンパ組織への成熟細胞移動が必要である。しかし、これらTリンパ球分化に必要な細胞移動や、胸腺器官によるTリンパ球分化支持の分子機構はほどんど明らかではない。本研究では、独自に開発した細胞動態可視化追跡法および小型魚類を用いた順遺伝学的アプローチを用いることによって、免疫監視に不可欠なTリンパ球の分化に必要な細胞移動と場の構築の分子メカニズム解明を目指す。本年度は、胎生期において肝臓にて発生したTリンパ球前駆細胞が胸腺器官に移住するとき、胸腺がTリンパ球前駆細胞を能動的かつ特異的に誘引することを示すとともに、この誘引を計時的かつ定量的に計測する実験系を開発した。そのうえで、胸腺上皮細胞の発現するケモカインを網羅的に解析することによって、2つのケモカインCCL21とCCL25がT前駆細胞の胎生期胸腺への誘引に関与することを同定した。一方、Tリンパ球分化を支持する胸腺器官の形成を制御する分子群をゲノム網羅的に同定するため、エチルニトロソウレアによりランダムに誘発した突然変異を持つメダカ胚を作製し、胸腺形成変異体の系統的大規模スクリーニングを行った。メダカ全ゲノムの約60%をカバーする538のF2ファミリーをスクリーニングすることにより、胸腺形成に特異的な異常を示す変異体系統を22得た。そのうち表現型が胸腺発生に特異的な10系統の変異体に関して、異なる系統とのあいだでのF2作製と多型解析によるポジショナルクローニング法を用いて、原因ゲノム領域の同定作業を進めている。(735文字)
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Research Products
(7 results)