2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043237
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高濱 洋介 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (20183858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 修平 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (00263898)
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Keywords | Tリンパ球 / 細胞分化 / 胸腺 / ケモカイン / 器官構築 / CCR7 / メダカ / 自己寛容 |
Research Abstract |
免疫監視の司令搭として中心的役割を果たすTリンパ球は胸腺にて分化する。Tリンパ球の分化と選択には、一次造血組織から胸腺への前駆細胞移動や胸腺内での皮質から髄質への移動といったダイナミックな細胞移動を伴う。しかし、Tリンパ球分化に必要な細胞移動の分子機構と意義はもとより、胸腺によるTリンパ球分化支持の分子機構はほとんど明らかではない。私たちは昨年度までに、正の選択に伴うTリンパ球の皮質から髄質への移動にはCCR7ケモカインが必須であることを明らかにした。そこで今年度は、CCR7とそのリガンドの欠損マウスを用いて、皮質から髄質への細胞移動がTリンパ球の分化・選択にどのような意義を持つのか解析した。その結果まず、CCR7やそのリガンドの欠損マウスでもTリンパ球の分化や全身性自己抗原に対する負の選択には異常がみられず、成熟Tリンパ球の成体胸腺からの移出も正常に起こることがわかった。一方、CCR7シグナル欠損マウスの胸腺で成熟したTリンパ球は、自己免疫性涙腺炎を引き起こす活性を保持しており、組織特異的抗原に対する中枢性トレランスの獲得に不全があることが示された。これらの結果から、CCR7依存性胸腺内髄質移動が組織特異的抗原に対する中枢性免疫寛容の成立のために必須の意義を有することが明らかになった。 また、Tリンパ球の分化と選択を支持する胸腺器官形成を制御する遺伝子ネットワークの網羅的解明に向けて、メダカ全ゲノムの約60%をスクリーニングすることにより胸腺内rag1発現異常を示す変異体を22系統作製し、胸腺異常に特異性の高い10変異体に関して原因遣伝子のポジショナルクローニングを進めた。本年度は、これらのうち2変異体について責任遺伝子を同定した。
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Research Products
(7 results)