2004 Fiscal Year Annual Research Report
CDMファミリー分子による免疫監視システムの制御機構
Project/Area Number |
16043239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Keywords | DOCK2 / Rac / PI3キナーゼ / リンパ球遊走 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
本研究では、DOCK2を含むCDMファミリー分子に焦点をあて、各種受容体刺激から細胞骨格再構築に至るシグナル伝達を解明し、免疫系の発生、分化、構築や機能発現における各シグナル伝達系の役割を明らかにすると共に、その理解に立脚して、免疫監視システムという時間的にも空間的にも巧妙に制御された精緻なシステムの意義を個体レベルで検証することを目的とする。本年度は、リンパ球遊走におけるDOCK2とPI3Kの関与を詳細に解析し、DOCK2とPI3Kは独立してリンパ球遊走を制御しており、DOCK2が主、PI3Kが従の役割を演じることを明らかにした。また、T細胞の場合と異なり、B細胞ではDOCK2がインテグリン活性化を介してホーミングを制御していることを見い出し、同じリンパ球でもT細胞とB細胞ではリンパ球ホーミングの機序が異なることを示した。また、DOCK2のN末端504アミノ酸残基を欠く変異体ではRacとの結合性が保たれているにもかかわらず、Rac活性化能が顕著に低下することを見い出し、その欠失部分と会合する分子としてELMO1を同定した。またYeast Two Hybridあるいはプロテオミクスの手法を用いて、未知の分子も含め6種類のDOCK2会合分子を同定し、その特異的抗体、トランスフェクタントを樹立すると共に、ノックアウトマウスの作製に着手した。さらにDOCK2のC端にEGFPを挿入したノックインマウスを作製し、リンパ球遊走や免疫シナプス形成におけるDOCK2分子の挙動をリアルタイムで解析できる系を樹立した。
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