2004 Fiscal Year Annual Research Report
Th1/Th2分化におけるIL-12レセプターβ1遺伝子プロモーター機能の役割
Project/Area Number |
16043245
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10303629)
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Keywords | Th1 / Th2 / インターロイキン / マクロファージ / インターフェロン / プロモーター / ヒストン / 転写因子 / クロマチン |
Research Abstract |
IL-12はTh1分化を強く誘導するサイトカインであり、β1およびβ2鎖からなるIL-12レセプター(IL-12R)によって受容される。最近の研究からIL-12Rがマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)にも比較的多量に発現しており、APCにおけるIL-12Rβ1の発現はIFNγ、IL-15によって誘導され、APCのIL-15反応性はIL-15によるTh1反応誘導性のメカニズムとして必須であることが知られているが、IL-12Rβ1の発現調節機構についてはその遺伝子プロモーターの構造を含めて詳細は不明であった。 本研究において我々は、マウスIL-12Rβ1遺伝子を単離し、プライマー伸張法によってその転写開始部位を同定した。ルシフェラーゼレポーターを用いたプロモーター機能解析によって、マクロファージにおけるIL-12Rβ1遺伝子プロモーターのIFNγおよびIL-15刺激に対する反応性は、転写開始点5'上流-2508から-1803の領域に存在するIREおよびEts結合配列によって規定されることを示した。それぞれの配列にはIFNγおよびIL-15反応性に、IRF3、PU.1が結合した。特にIL-15はIL-12Rβ1遺伝子プロモーター領域におけるヒストンH3のアセチル化をp38MAPキナーゼ依存性に誘導し、クロマチン構造の再構築によってIL-12Rβ1遺伝子転写活性を誘導する機構を示した。このIL-15の効果はHAT活性を持つCBPの強発現による効果と類似しており、両者の関連の可能性が考えられた。以上の解析により、免疫監視機構に重要な役割を果たしているIL-12Rβ1がIFNγ、IL-15によってAPC上でダイナミックに制御されていることが明らかとなった。
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[Journal Article] Interleukin-15 induces IL-12 receptor {beta}1 gene expression through PU.1 and IRF 3 by targeting chromatin remodeling2005
Author(s)
Musikacharoen, T., Oguma, A., Yosikai, Y., Chiba, N., Masuda, A., Matsuguchi, T.
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Journal Title
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