2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜損傷によって制御されるゴルジ体からの小胞輸送に関する研究
Project/Area Number |
16044211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東郷 建 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40334247)
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Keywords | 膜修復 / 微小管 / EB1 / ゴルジ体 / プロテインキナーゼC / カルシウム / NBC-C6-ceramide / 小胞輸送 |
Research Abstract |
細胞膜損傷は、動物組織において一般に観察される。細胞膜損傷は損傷箇所から流入したCa^<2+>が誘起するexocytosisによって修復される。細胞膜が5分程度の間隔で繰り返し損傷を受けると、2回目の損傷修復は1回目よりも早くなる。この修復促進反応はCa^<2+>とプロテインキナーゼC(PKC)に依存している。またbrefeldin A感受性であるが、2回の損傷を細胞の同じ場所に与えた場合のみ修復促進反応の抑制が観察される。このことはbrefeldin A感受性の修復促進反応に方向性があることを示している。そこで、細胞膜損傷後の細胞骨格の動態、および小胞輸送を観察し、修復促進反応の機構を明らかにすることを目的とした。 昨年度はPtK2細胞にtubulin-EGFPやEB1-GFP遺伝子を導入して微小管やそのプラス端を可視化して細胞膜損傷による微小管の配向の変動を観察した。細胞膜損傷後のEB1の微小管プラス端への集積と微小管の伸長は損傷損傷箇所からのCa^<2+>の流入に依存しているが、PKC活性には依存していないことを見いだした。 今年度はその結果を受け、小胞輸送について検討した。蛍光脂質プローブNBD-C6-ceramideを用いてゴルジ体/TGNからの小胞輸送を観察したところ、細胞膜損傷は実際にゴルジ体/TGNから損傷箇所へ小胞輸送を誘起していることが観察された。またこの輸送はPKC活性に依存しており、微小管の破壊によっても阻害された。さらに微小管の破壊は、1回目の膜修復には影響せず、2回目の膜修復を特異的に阻害した。 以上のことから、Ca^<2+>依存的な微小管プラス端の細胞膜損傷箇所への伸長と、PKC依存的なゴルジ体/TGNからの小胞輸送が細胞膜損傷の修復促進反応に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)