2004 Fiscal Year Annual Research Report
エンドソームを経由するユビキチン化蛋白質の選別輸送機構
Project/Area Number |
16044213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
駒田 雅之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (10225568)
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Keywords | エンドソーム / 膜輸送 / 増殖因子受容体 / ダウンレギュレーション / ユビキチン化 / 選別シグナル / 選別輸送 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
HrsとSTAMはともにユビキチン(Ub)結合蛋白質であり、エンドソームの細胞質側の膜上で複合体を形成している。そしてUb化された増殖因子受容体を認識することにより、そのリソソームへの選別輸送(ダウンレギュレーション)における選別因子として働くと考えられている。本研究では、Hrs/STAM複合体の機能について、以下のことを明らかにした。 1.Hrsの過剰発現により、無刺激時およびEGF刺激時においてEGF受容体がエンドソームに蓄積すること、そのためにはHrsがエンドソーム上に局在することが必要であることから、Hrsがエンドソーム上でUb化されたEGF受容体を選別していることが示唆された。 2.STAMはHrsと複合体を形成することによりエンドソーム膜上に局在すること、またHrsとの複合体形成がSTAM蛋白質の細胞内での安定性とEGF受容体のダウンレギュレーションに不可欠であることを見出した。 3.STAM結合性を有する脱Ub化酵素UBPYを過剰発現させると、EGF刺激依存的なEGF受容体のUb化レベルが低下し、逆にUBPYの発現をノックダウンするとそのUb化レベルが上昇することを見出した。またEGF刺激依存的にUBPYがEGF受容体と結合すること、UBPYがin vitroで直接EGF受容体を脱Ub化することを見出した。したがってUBPYが増殖因子受容体の脱Ub化を介して、そのダウンレギュレーションに関与することが示唆された。 4、Ca^<2+>結合蛋白質ALG-2がCa^<2+>依存的にHrsと結合することを見出した。さらにALG-2がエンドソームに局在し、Ca^<2+>依存的にALG-2と結合するエンドサイトシース関連蛋白質Alixをエンドソーム上にリクルートすることを見出した。したがってALG-2が増殖因子受容体のダウンレギュレーションに関与することが示唆された。
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