2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化・脱リン酸化によるインスリン分泌顆粒エンドサイトーシス制御機構の解明
Project/Area Number |
16044233
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 岡山大学, 大学院・医歯科学総合研究科, 助教授 (40274287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正之 岡山大学, 大学院・医歯科学総合研究科, 講師 (30273965)
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Keywords | Cdk5 / インスリン / リン酸化 / カルシウムチャネル / 膜輸送 / グルコース / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究により以下のことを明らかにした。 1.膵臓β細胞におけるCdk5活性化因子および基質の探索。 ラットよりラ氏島を単離し、ホモジナイズした。遠心後、その上清とCdk5抗体を反応させ、免疫沈降を行った。その後、Cdk5結合蛋白について、質量分析法にて同定を行った。その結果、p35がCdk5の活性化因子として見つけ出された。また、基質としてL型電位依存性Ca^<2+>チャネル(L-VDCC)が見いだされた 2.膵臓β細胞におけるCdk5新規活性化因子および基質の同定。 1でスクリーニングされたp35ならびにL-VDCCが実際に細胞内において活性化因子あるいは基質であるか検討した。p35をバキュロシステムで発現させ、Histone HIを基質としてCdk5活性化能および結合能についてin vitroで検討した。その結果、p35はCdk5活性化能を有し、また同酵素に結合することが明らかになった。さらにL-VDCCのCdk5によるリン酸化部位について検討した。その結果、Cdk5は、L-VDCCのループ2-3内のセリン783番をリン酸化することが明らかになった。 3.Cdk5のインスリン分泌顆粒エンドサイトーシス・エクソサイトーシスに及ぼす影響 MIN6細胞、マウスから単離したラ氏島とCdk5阻害剤をインキュベーションし、細胞内のCdk5活性を阻害した後、グルコース刺激によるインスリン分泌について検討した。その結果、Cdk5を阻害すると、β細胞からのインスリン分泌が促進されることが明らかになった。
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