2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化・脱リン酸化によるインスリン分泌顆粒エンドサイトーシス制御機構の解明
Project/Area Number |
16044233
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (40274287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正之 (株)三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (30273965)
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Keywords | 糖尿病 / Cdk5 / 膜輸送 / インスリン / 分泌顆粒 / 開口放出 / カルシウム / チャネル |
Research Abstract |
本研究により以下のことを明らかにした。 1.これまで神経細胞に特異的に発現していると考えられていたCdk5活性化因子p35が膵臓β細胞に強く発現し、単離したβ細胞内のCdk5の活性は、脳と同レベルであった。 2.Cdk5の活性阻害剤は、低グルコース時のβ細胞、膵ラ氏島からのインスリン分泌に影響を及ぼさないが、高グルコース時のインスリン分泌を有意に促進した。 3.Cdk5活性阻害は、グルコース刺激によるLタイプ電位依存性Ca^<2+>チャネル(L-VDCC)からのCa^<2+>流入を促進した。そのメカニズムは、Cdk5が同チャネルのセリン783番をリン酸化し、Syntaxin等結合蛋白の同チャネルへの結合を阻害することであった。 4.p35ノックアウトマウスから単離した膵ラ氏島からのインスリン分泌は、低グルコース時では野生型マウスのそれと同程度であるが、高グルコース時では野生型マウスと比較して有意に促進した。 6.p35ノックアウトマウスに糖負荷試験を実施すると、野生型マウスと比較してインスリン分泌は促進し、血中グルコース濃度は有意に低かった。 7.Cdk5の活性は、細胞内Ca^<2+>濃度により制御されており、細胞内Ca^<2+>が上昇するとp35のユビキチンープロテアソームによる分解が促進されることを明らかにした。 8.以上のことより、Cdk5阻害剤が、低血糖を誘発しない全く新しいタイプの高血糖治療薬になる可能性が示唆された。
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[Journal Article] Channel function is dissociated from the intrinsic kinase activity and autophosphorylation of TRPM7/ChaK1.2005
Author(s)
Matsushita M, Kozak JA, Shimizu Y, McLachlin DT, Yamaguchi H, Wei FY, Tomizawa K, Matsui H, Chait BT, Cahalan MD, Nairn AC.
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Journal Title
J.Biol.Chem. 280(21)
Pages: 20793-20803
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[Journal Article] Cdk5-dependent regulation of glucose-stimulated insulin secretion.2005
Author(s)
Wei FY, Nagashima K, Ohshima T, Saheki Y, Lu YF, Matsushita M, Yamada Y, Mikoshiba K, Seino Y, Matsui H, Tomizawa K.
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Journal Title
Nat.Med. 11(10)
Pages: 1104-1108
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