2004 Fiscal Year Annual Research Report
Phagocytosis初期における小胞体と細胞膜の融合機構の解明
Project/Area Number |
16044237
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
初沢 清隆 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20256655)
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Keywords | phagosome / 貪食 / SNARE / syntaxin / 小胞体 / 細胞膜 |
Research Abstract |
近年、樹状細胞やマクロファージにおいて、phagosome形成の初期に小胞体(ER)が細胞膜と直接融合することが明らかになった。しかし、その融合機構は全くわかっていない。通常、ER上で輸送小胞との膜融合に機能するSNARE蛋白質として、syntaxin 18, D12, Sec22bが知られている。本研究では、これらER局在SNARE蛋白質(ER-SNAREs)のphagosome形成への関与について解析を行った。 マクロファージ様細胞J774にlatexビーズを貪食させた後、phagosome画分を精製しER-SNAREsの有無をwesternブロッティングによって調べたところ、3〜5倍程度濃縮されていた。また、ビーズ貪食後、経時的にphagosomeを精製してER-SNAREsの量的変化を見ると若干減少する程度であった。さらに、ER-SNAREのN末端に蛍光タンパク質(mVENUS)を付加した融合タンパク質を安定に発現する細胞をクローン化し、貪食によって形成させたphagosomeを共焦点顕微鏡で観察した。ビーズをIgGでオプソニン化した場合、しなかった場合ともにphagosome膜上に蛍光の局在が観察された。以上からER-SNAREsがphagosome上に局在することが明らかになり、phagosome形成の膜融合に機能することが示唆された。 次に、IgGでオプソニン化したビーズを貪食するモデル細胞(FcγRIIA受容体(IgG受容体)の安定発現株)を用いて、ER-SNAREsの可溶性型をそれぞれ過剰発現させphagosome形成へのドミナントネガティブ効果を調べた。この系では、syntaxin 18とD12の場合に顕著な阻害効果が見られた。これらから、phagosome形成におけるERと細胞膜との融合にsyntaxin 18とD12が機能することが明らかになった。
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