2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞における小胞体膜の動態と小胞体-ゴルジ体間の膜輸送の解析
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16044242
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (40266896)
望月 康弘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (80282523)
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Keywords | 小胞体 / 小胞輸送 / ゴルジ体 / ZW10 / reticulon |
Research Abstract |
小胞体-ゴルジ体間の膜輸送は様々な因子によって調節されている。我々は最近、小胞体に存在するsyntaxin18(膜融合を司るSNAREの一種で、この分子種はゴルジ体から小胞体への逆行輸送に関与)がZW10(紡錘体形成チェックポイントタンパク質)、RINT-1、p31、BNIP1(アポトーシス誘導タンパク質)などと結合していることを明らかにした。またtwo-hybrid法によって、ゴルジ体に存在するsyntaxin 5がアポトーシスや神経軸索の伸長抑制といった機能を有するreticulon3(Rtn3)と相互作用している可能性を示唆する結果を得た。本年度はZW10およびRtn3について解析を進めた。 1)小胞体に局在するZW10の機能の解明 ZW10はM期において染色体上の動原体に存在していると報告されていたが、細胞分画法や蛍光抗体法を用いて、間期には小胞体に結合していることを明らかにした。また、ZW10の過剰発現、抗体のマイクロインジェクション、RNAi法によるノックダウンを行い、間期においてはZW10が小胞体とゴルジ体の間の小胞輸送に関与していることを示した。 2)Rtn3の小胞輸送における役割の解明 Rtn3を培養細胞で過剰発現させたところ、ゴルジ体は分散したが、小胞体-ゴルジ体の中間コンパートメント(ERGIC)は分散せず、核近傍に凝集体となった。種々の解析の結果、Rtn3を過剰発現させた細胞では、ゴルジ体から小胞体への逆行輸送が阻害されていることが判明した。Rtn3をノックダウンさせると、ゴルジ体の構造がくずれ、ゴルジ体はERGICと会合した状態となった。Rtnはファミリータンパク質であり、Rtn3以外にRtn4-Bが組織普遍的に発現しているが、Rtn4-Bの発現を抑制してもゴルジ体の構造に変化はみられず、膜輸送にはRtn3が関与していることが判明した。
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Research Products
(5 results)