2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内膜系による細胞増殖・分化シグナル制御と細胞内脂肪滴の役割
Project/Area Number |
16044245
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
大橋 正人 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助手 (90290915)
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Keywords | 細胞内膜系 / 細胞増殖 / 脂肪滴 / 細胞分化 / エンドソーム / コレステロール代謝 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
細胞内脂肪滴の表層が、細胞内の重要な機能拠点であり、細胞内でのコレステロール生合成システムと細胞内膜系での細胞増殖・分化シグナル分子選別機能を結びつける制御プラットフォームとして働いているという仮説を柱に、細胞内膜系による細胞増殖分化シグナル制御のメカニズムを解き明かす事を目標として研究を進めた。本年度は、細増殖分化シグナリング分子として重要なソニックヘッジホッグの細胞へのシグナル入力のメカニズムに一つの焦点を置いた。ソニックヘッジホッグの細胞シグナル入力はその受容体であるPatchedとシグナル変換分子であるSmoothenedの二つの膜貫通蛋白質の作用で行われる。そして、Patchedの機能はコレステロールの機能と密接な関わりがあることが知られている。これまでに、脂肪滴表層に存在するコレステロール代謝系の分子に異常のある変異株を用いた解析により、PatchedとSmoothenedの細胞内膜系での動態がコレステロール合成系の異常によって影響されることを示すデータを得た。 また、より詳細に細胞内膜系と脂肪滴の関係を解析するため、細胞内膜系のマーカー分子および機能分子の探索・同定を、FL-REX(fluorescence localization-based retrovirus-mediated expression cloning)法等の手法で進め、これまでに後期エンドソームに存在するいくつかの新規蛋白質を同定した。 現在、これらと平行して脂肪滴表面に存在する構造蛋白質、機能蛋白質分子を細胞工学的に操作することを進めており、細胞内膜系による細胞増殖・分化シグナル制御における脂肪滴の役割の解析をさらに進めている。
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Research Products
(1 results)