2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞内トラフィック機構解明へ向けてのin vivo解析システムの開発と応用
Project/Area Number |
16044249
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉原 良浩 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, チームリーダー (20220717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信彦 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (70332335)
吉原 誠一 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (90360669)
稲木 公一郎 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (20360498)
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Keywords | テレンセファリン / ニューロン / 樹状突起 / 軸索 / トランスジェニックマウス / プルキンエ細胞 / 細胞接着分子 / ソーティングモチーフ |
Research Abstract |
神経細胞は軸索(axon)と樹状突起(dendrite)という構造及び機能の全く異なった2種類の神経突起を有する。一般に神経細胞の軸索の一部がシナプス前終末部を形成し、樹状突起あるいは細胞体がシナプス後部を形成する。すなわち軸索と樹状突起は神経伝達の方向性を決定しており、その接点であるシナプスを介して複雑であるが秩序だった神経ネットワークが構築され、脳が機能する。本課題は、(1)神経細胞の極性・トラフィッキング機構の研究のためのin vivoシステムの開発、(2)終脳特異的細胞接着分子テレンセファリン(TLCN)の樹状突起選択的ソーティングシグナルの同定を目的とし、本年度の研究で以下の結果を得た。 1、マウスL7プロモーターを用いて小脳プルキンエ細胞にTLCNを異所性発現させたトランスジェニックマウスを作製したところ、終脳ニューロンと同様にTLCN蛋白質の樹状突起選択的局在が観察され、in vivo神経細胞内トラフィック機構解析システムの確立に成功した。 2、TLCNの細胞内領域(約60アミノ酸)に着目し、3種類の欠失変異体、2種類の点変異体をプルキンエ細胞に発現するトランスジェニックマウスを作製した。その結果、樹状突起選択的局在にはTLCNのC末端領域12アミノ酸(特にその中のPhe残基)が必須であることを見出し、これまでに知られているTyrモチーフ、Di-Leuモチーフとは異なった新たな樹状突起ソーティングモチーフの存在を発見した。 今後はTLCNのC末端ののPheモチーフが、樹状突起へのソーティングに十分条件となるのか、またMDCK細胞などの上皮細胞においてbasolateral膜へのソーティングシグナルとしても機能するのか否かを明らかにする。
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Research Products
(6 results)