2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム遺伝子Bmi-1による精子幹細胞の未分化性維特機構
Project/Area Number |
16045202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩間 厚志 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70244126)
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Keywords | ポリコーム遺伝子 / Bmi-1 / 造血幹細胞 / 自己複製 |
Research Abstract |
ポリコーム遺伝子産物は複合体を形成してクロマチン構造を制御し、細胞特異的な遺伝子発現パターンの維持、特に遺伝子発現の抑制状態の維持に重要な役割を果たしている。最近遺伝子欠損マウスの解析から、ポリコーム複合体が造血幹細胞の自己複製に必須な分子群であることが明らかにされた。今回申請者らは、PRC1複合体を形成する分子の一つであるBmi-1ぼ遺伝子欠損マウスを解析し、Bmi-1が精子幹細胞の自己複製の維持に中心的な役割を担うことを明らかにした。まず、Bmi-1遺伝子欠損マウスの精巣において週齢とともに精子幹細胞が減少することを確認した。また、精子幹細胞移植による幹細胞機能の検討の結果、Bmi-1遺伝子欠損マウスの精子幹細胞は明らかに自己複製能の低下を示した。精子幹細胞の長期培養株であるGS細胞にBmi-1を強制発現させると、対照に比べて大きなコロニーが形成され、RNAiによりBmi-1の発現を抑制するとコロニー形成が抑制され分化が促進された。興味深いことにBmi-1遺伝子欠損マウスとDNA結合性転写抑制因子PLZF遺伝子欠損マウスの精巣の表現型には類似した部分が見られ、GS細胞において、Bmi-1とPLZFの局在が一部きれいに重なる所見が確認された。このことからBmi-1はPLZFによってマークされる遺伝子の発現抑制状態を維持することにより精子幹細胞の自己複製制御を担うことが示唆され解析を進めた。また、精原細胞を用いたマイクロアレイ解析からBmi-1遺伝子欠損マウスで発現が亢進する遺伝子が同定されており、Bmi-1の制御遺伝子として解析した。
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Research Products
(5 results)