2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現リプログラミングへのヒストンアセチル化の関与とその調節機構について
Project/Area Number |
16045203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 不学 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20175160)
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Keywords | 減数分裂 / マウス卵 / ヒストン / アセチル化 / 脱アセチル化 / クロマチン |
Research Abstract |
これまでに、減数分裂期特異的にピストンのグローバルな脱アセチル化が起こることが明らかとなっているが、その生理的機能については明らかとなっていない。そこで、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤であるtrichostatin A(TSA)を用いて減数分裂期の脱アセチル化を阻害し、その後の発生にどのような影響が生じるかを調べた。 その結果、TSA処理をした卵としなかった対照群の卵で第二分裂期に到達した割合、及び受精後に胚盤胞期に到達した割合に差が見られなかった。そこで、胚移植して着床後の胚発生への影響を調べところ、減数分裂期中にTSA処理した胚を移植した雌マウスからは、通常の半数以下の仔しか産まれなかった。そこで、胚移植を行った受容雌マウスについて妊娠11.5日後に子宮を開き、着床した胚の数を調べたところ、着床した胚の半数以上が再吸収されているかすでに死んでいるかのどちらかであった。これらの異常には、染色体異常が関係しているのではないかと仮定し、1細胞胚分裂期での染色体数を染色体標本を作製して調べた。減数分裂期をTSA処理しなかった場合では、染色体数に異常があった胚は21%であったのに対し、TSA処理したときでは、異常な染色体数の胚が62%にも達した。したがって、ヒストンの脱アセチル化は減数分裂期において染色体の分配を調節する機構に関わっていることが明らかになった。
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